中高年応援チャンネル 57歳 地球旅行 日記

人間と呼ばれている生物を操縦して地球を旅行中。自分自身の為の備忘録。

【告白】俺が親父を許すまで【一周忌】ならおかファーム

【告白】俺が親父を許すまで【一周忌】by ならおかファーム


ならおかさんの経歴


ならおかさんの動画を見て、2010年に亡くなった私の父の事とダブった。
私は父から暴力を受けた体験はないが、少し酒乱だった父を暴走させないように
母や姉たちが酒をコントロールして与え、管理しているように
子供心に感じて育った。
ある意味、私にとって、父とは原子力発電所みたいな存在だった。


爆発させたら最後、周囲の近所を巻き込むほどの惨劇が起こる存在。


ある時、父が居間で
テレビを大音量で聞いていたので、お向かいの家の旦那さんが注意しにきた。
2度目だった。(当時父は51歳)
その旦那さんは、私の父(昭和2年生まれ)よりもたぶん、10歳ぐらい若い。
父は母に酒を買いに行かせ、深夜0時頃、
お詫びとしてお向かいの家に届けさせた。
要らないとか言って受け取ってくれず、午前2時ぐらいまで押し問答があったが
結局、父が酒を相手に押し付けて収拾した。
私は当時、中1ぐらいだったけれど、
そのやり取りが近所中に聞こえる声だったので、眠れなかった。
父の強情さに、辟易した。
父が礼儀正しい、義理堅いというよりも、父の狂気に恐怖を感じた。


だから、父が83歳で肺がんで亡くなるまで、
私は父とまともに会話をした記憶がない。会話の最長記録は1分間ぐらい。
それも日常の連絡事項など。
亡くなる一週間前に父の方から病院に同行して欲しいと言われたので
初めて2人だけで自転車で10分程度で行ける、病院へ行った。
レントゲンでは何故か異常が見つからず、薬を貰って帰宅。
しかし翌日、苦しさが増したので、姉も同行して病院でCTスキャンなどの
精密検査をすると末期の肺がんだと判明した。
父は約10年間ほど病院に行ってなかった。
病院に行く行かないは本人が決める、個人の自由だという我が家の家風だった。
(私自身も18年ほど健康診断をしていない。インフルも2回ほど
治りは遅いが市販薬で治るまで症状を抑え、自己治癒力で治して来た)
母はその2年前に79歳で肺炎で亡くなっていたので、私や姉たちは
心配はしていたけれど、どこか悟ったような感覚もあり、覚悟を決めてた。
手術は手遅れで、ただモルヒネで痛みを緩和する手段しかなかったが、
父は痛みが消え楽になったのか良く話すようになっていた。


母の爪は介護している時に、何十回も切ってあげていたが
父の爪を切るのは初めてだった。
爪水虫のせいか父の足の爪は分厚くて、切りづらく
少しミスって、肉を切ってしまい、血が出た。
ティッシュペーパーで血を拭いたら出血が止まったので胸をなでおろした。


様態も安定していたので、深夜バスで東京のあるお寺のイベントに
参加する為に深夜バスで行ってイベントに参加して、
初めて会う参加者同士で、二次会も参加していると
大阪の姉から父が危篤だというので、新幹線で戻った。
病室に付くと、娘4人と次男と孫やひ孫たちがいた。
神奈川県に住んでいる4女は見舞いに来て、帰ったばかりだった。
一応連絡はしたが、2人の10代の男の子がいる専業主婦なので
何度も往復はできない事情を理解していたので、葬式の時に
駆けつけてくれれば良いという姉弟間での暗黙の同意があった。


病室に着いて、普通に父は会話できる状態だったので、
危篤には見えなかったが、数時間置きに激痛が襲うらしく、モルヒネの
量を増やしていた。
そして数時間後に10数人の家族が見守る中で息を引き取った。
母は病院で約1か月の入院中に寝ている間に息を引き取ったので、
心の準備ができていた。父の時は2度目なので恐怖や動揺はなかったが
初めて人間が息を引き取る瞬間を見て、生命の神秘を味わえ
未知の感動が押し寄せた(入院して一週間で亡くなった)


悲しいという感情が10%、生命の神秘が60%、ご苦労様という感謝が30%
味わったことのない感覚、感動だった。
みんな泣いたり、感謝の言葉を言ったり、様々だった。
私は、その光景全体を見守る守護霊のように、背後にいた。
その光景を記憶に残すことに、集中していた。
母の葬式の時も父の葬式の時も、私は泣かなかった。
晴れ晴れとした爽快な気分だった。
母や父が身体の苦痛で、苦しんでいる姿を見ていたから、
両親が苦痛から無事、解放され、天国に行って、会いたかった祖父母たちに
会いに行っているという夢が叶った日だったので、自分事の様に嬉しかった。


両親の写真を見るたびに、会えない淋しさは、もちろんある。
しかし、いずれ会えると確信しているので、今、自分は長期の旅行中だという
感覚がある。


そう…今は、地球観光の最中♪

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