中高年応援チャンネル 57歳 地球旅行 日記

人間と呼ばれている生物を操縦して地球を旅行中。自分自身の為の備忘録。

⑤第80章「ニサルガダッタ・マハラジとの対話」

【I AM THAT アイ・アム・ザット 私は在る ニサルガダッタ・マハラジとの対話】
第80章 気づき p420~426転載


質問者 真我を実現するには時間がかかるのでしょうか?
それとも時間は実現を助けることができないのでしょうか?
真我の実現はただの時間の問題なのでしゅうか?それとも時
間以外の要因に依存するのでしょうか?


マハラジ 待つことは無駄なことだ。問題を解決するために
時間に依存することは自己欺瞞だ。未来は、単に過去がそれ
自体を繰り返すだけなのだ。変化は未来のなかではなく、今
のなかでだけ起こりうる。


質問者 何が変化をもたらすのでしょうか?


マハラジ 澄みきった明晰性で変化の必要性を見なさい。そ
れだけだ。


質問者 真我の実現は物質のなかで、あるいはその彼方で起
きるのでしょうか? それは身体とマインドに依存する体験
なのでしょうか?


マハラジ すべての体験は限定された、一時的な幻想でしか
ない。体験からは何も期待してはならない。それが新しい
次元の体験へと導くことはあっても、真我の実現自体はひと
つの体験ではないのだ。新しい体験がいかに興味深いもので
あっても、古いものより真実だというわけではない。真我の
実現が新しい体験ではないことは明らかだ。それはすべての
体験における時を超えた要因の発見だ。それは体験を可能に
する気づきなのだ。すべての色のなかで光が色彩をもたない
要因であるように、すべての体験のなかには気づきが存在し
ている。それにもかかわらず、気づきは体験ではないのだ。


質問者 もし気づきが体験ではないとするなら、それはどの
ようにして認識されるのでしょうか?


マハラジ 気づきはつねにそこにある。それが認識される必
要はないのだ。マインドの扉を開きなさい。そうすればそれ
は光で満ちあふれるだろう。


質問者 物質とは何でしょうか?


マハラジ あなたは物質を何だと理解しているだろう?


質問者 科学は物質を理解しています。


マハラジ 科学は、単に私たちの無知の境界線を押し戻して
いるだけだ。


質問者 それでは自然とは何でしょうか?


マハラジ 意識的な体験の総体性が自然だ。意識的自己とし
てのあなたは自然の一部なのだ。気づきとしてのあなたはそ
の彼方にある。自然を単なる意識として見ることが気づきな
のだ。


質問者 気づきの段階というのはあるのでしょうか?


マハラジ 意識のなかに段階はあるが、気づきのなかにはな
い。それは均質なひと 塊 なのだ。マインドのなかでのその
反映が愛と理解だ。理解における明晰性の段階や、愛の強烈
さに度合いはあっても、その源に段階はないのだ。源は単一
であり、シンプルだ。だがその贈り物は無限のものだ。ただ、
贈り物を源を取り違えてはならない。あなた自身が川ではな
く源であることを自覚しなさい。それだけだ。


質問者 私は川でもあるのです。


マハラジ もちろんだ。「私は在る」としてのあなたは、身
体の岸の間を流れる川だ。だが、あなたはまた源でもあり、
海でもあり、空の雲でもあるのだ。どこであれ、そこに生命
と意識があるとき、あなたは在る。極小よりも小さく。極大
よりも大きい。あなたは在る。ほかのすべては現れにすぎな
い。


質問者 存在の感覚と生命の感覚 ー それらは同一のもので
しょうか、それとも異なるものでしょうか?


マハラジ 空間のなかのアイデンティティがそのひとつをつ
くり出し、時間のなかの継続性がもうひとつをつくり出すの
だ。


質問者 あなたはかつて、見る者、見ること、見られるもの
は、三つではなくひとつの単一体だと言われました。私にとっ
て、その三つは分離しています。あなたの言葉を疑うわけで
はありません。ただ、私には理解できないのです。


マハラジ 注意深く見てみなさい。すると、見る者と見られ
るものは、見ることがあるときにだけ現れることが理解でき
るだろう。それらは見ることの属性なのだ。あなたが、「私
はこれを見ている」と言うとき、「私」と「これ」は見るこ
ととともに現れ、それ以前にはないことがわかる。あなたは
目に見えない「これ」や、見ていない「私」をもつことはで
きないのだ。


質問者 私は「私は見ない」と言うことができます。


マハラジ 「私はこれを見ている」が「私は私が見ていない
ことを見ている」、あるいは「私は暗闇を見ている」になる
のだ。見ることは残る。知られるもの、知ること、知る者と
いう三位(さんみ)のなかでは、知ることだけが事実だ。「私」と「これ」
は疑わしいものだ。誰が知ろう? 何が知られるというのだ
ろう? 知ることがあるということを除いては、そこには何
の確実性もないのだ。


質問者 どうして私は知る者ではなく、知ることに確信があ
るのでしょうか?


マハラジ 知ることは、在ることと愛することとともに、あ
なたの真の本性の反映なのだ。知る者と知られるものは、マ
インドによって加えられるのだ。実際は何もないところに、
主体ー客体の二元性をつくり出すのがマインドの本質なの
だ。


質問者 欲望と恐れの原因とは何でしょうか?


マハラジ 明らかに、過去の苦悩と快楽の記憶だ。そこには
何も偉大な神秘があるわけではない。同じ対象物に恐れと欲
望が関係したときだけ葛藤が起こるのだ。


質問者 どのようにして記憶を終わらせることができるので
しょうか?


マハラジ それは必要でもなければ、可能でもない。すべて
は意識のなかで起こり、あなたがその根本、源、意識の根底
なのだということを認識しなさい。世界は体験の連続にすぎ
ず、あなたはそれらに意識を与えるものだ。しかも、あなた
はすべての体験を超えた彼方にとどまるのだ。それは熱、炎、
燃える木材のようなものだ。熱は炎を維持し、炎は木材を焼
き尽くす。熱がなければ炎も燃料もなかっただろう。同じよ
うに、気づきなしには意識も、物質を意識の媒体に変容する
生命もなかっただろう。


質問者 あなたは、私がいなければ世界はなく、また世界と
世界に関する私の知識は同一のものだと主張しています。科
学はまったくこれとは異なった結論に至っています。世界と
は何か具象的な、継続的なものであり、一方、私とは神経系
統の生物学的進化の副産物なのです。それは根本的には意識
の中枢であるよりも、個人的、種族的存続の機構なのです。
あなたの話はまったく主観的な見解です。一方、科学は客観
的言語で描写しようと試みています。この矛盾は避けること
ができないのでしょうか?


マハラジ その混乱は明白であり、純粋に言葉によるものだ。
在るものは在る。それは主観的でも客観的でもない。物質と
マインドは分離したものではない。それらはひとつのエネル
ギーの二つの相なのだ。マインドを物質の機能として見てみ
なさい。そうすればあなたは科学を手にする。物質をマイン
ドの産物として見てみなさい。そうするとあなたは宗教を手
にするだろう。


質問者 しかし、何が真実なのでしょうか? マインドと物
質、どちらが先に現れるのでしょうか?


マハラジ どちらも先に現れはしないし、どちらか一方が現
れるのでもない。物質は形であり、マインドは名前なのだ。
それらはともに世界をつくる。浸透し、超越するのが実在、
純粋な存在ー意識ー至福、あなたの本質そのものなのだ。


質問者 私が知っているのは意識の流れ、出来事の果てしな
い連鎖だけです。時間の川は容赦なく流れ、運び去ります。
つねに未来は過去へと変容していきます。


マハラジ あなたは自分の言葉の犠牲になっていないだろう
か? あなたは時間の流れについて語る。あたかもあなたが
不動でいるかのように、だが、あなたが昨日目撃した出来事
を、誰かほかの人が明日見るかもしれない。動きのなかにい
るのはあなたであって、時間ではないのだ。動きを止めなさ
い。すると時間は止まる。


質問者 時間が止まる? それはそういう意味でしょうか?


マハラジ 過去と未来が、永遠の今のなかで溶け合うのだ。


質問者 しかし、実際の体験のなかで、それはそういう意味
をもつのでしょうか? あなたにとって時間が止まったと、
どうやって知るのでしょうか?


マハラジ それは過去と未来がもはや重要ではなくなるとい
う意味でもありうる。それはまた、かつて起こったすべて、
これから起こるだろうすべてが、思いのままに開かれた本と
して読むことができるという意味でもある。


質問者 訓練によってアクセスできる宇宙的記憶というもの
を想像することはできます。しかし、どのようにして未来が
知られるというのでしょうか? 予期しない出来事は不可避
です。


マハラジ あるレベルで予期しなかったことは、高次のレベ
ルから見れば確実に起こることかもしれない。結局、私たち
はマインドの限界内に在る。実際には、何も起こってはいな
いのだ。過去もなければ、未来もない。すべては現れであり、
何も存在しないのだ。


質問者 何も存在しないとはどういう意味でしょうか? あ
なたは虚空になるのでしょうか、それとも眠りにつくという
ことでしょうか? あるいは、あなたは世界を消し去り、あ
なたのつぎの思考のひらめきで私たちが生命に連れ戻され
るまで、私たちを停止の状態にとどめるということでしょう
か?


マハラジ いいや。そんなひどい話ではない。マインドと物
質の、そして名前と形の世界は続いていく。だが、それは私
にとってまったく重要ではない。それは影のようなものだ。
それはそこにある。どこへ行こうともついてくる。だが、ど
のような意味でも私を邪魔することはない。体験の世界はそ
のまま残る。だが、欲望と恐れで私に関わる名前と形は残さ
ないのだ。体験とは、言わば属性をもたない純粋な体験だ。
ほかにより良い言葉がないために、私はそれを体験と呼ぶの
だ。それは大海の波のようなものだ。つねに存在しながら、
その平和な力に影響を与えることはない。


質問者 体験は無名無形の定義できないものだということで
しょうか?


マハラジ はじめは、すべての体験がそのようなものだ。記
憶から生まれた欲望と恐れが名前と形を与え、ほかの体験と
分けてしまうのだ。それは意識的な体験ではない。なぜなら、
それはほかの体験と対立しているわけではないからだ。それ
でもそれは同じ体験なのだ。


質問者 もし体験が意識的でないなら、どうしてそれにつ
いて話すのでしょうか?


マハラジ ほとんどのあなたの体験は無意識のものだ。意識
的なものは非常に少ない。あなたは事実に気づいていないの
だ。なぜなら、あなたにとっては意識的なものしか数に入ら
ないからだ。無意識に気づくようになりなさい。


質問者 無意識に気づくことができるのでしょうか? どの
ようにするのでしょうか?


マハラジ 欲望と恐れが覆い隠し、歪ませてしまう要因なの
だ。マインドがそれらから解放されたとき、無意識は容易に
手に入るようになる。


質問者 無意識が意識的になるという意味でしょうか?


マハラジ むしろ反対だ。意識が無意識とひとつになるのだ。
それをどちらから見ても区別がなくなるのだ。


質問者 困惑してしまいます。どうして気づいていながら、
しかも無意識であることができるのでしょうか?


マハラジ 気づきは意識に対して限定されてはいない。それ
は存在するすべてに対するものだ。意識は二元性のものだ。
気づきのなかに二元性はない。それは純粋な知覚のひと塊な
のだ。純粋な存在と純粋な創造についても同じように、無名、
無形、静寂であり、しかも絶対的実在だと言うことができる。
言葉では言い表せないということが、それらに影響を与える
ことはまったくない。それらは無意識でありながら、本質的
なものなのだ。意識を根本的に変えることはできない。それ
は修正することができるだけだ。いかなるものも、変化する
ためには朦朧とした状態と消滅を、死を通らなければならな
いのだ。金の宝飾品は、ほかの形に鋳造される前に溶解され
なければならない。死ぬことを拒むものは再誕生できないの
だ。


質問者 身体の死なしに、どのように死ぬというのでしょ
う?


マハラジ 内側に向かうこと、超然と離れて在ること、手放
すことが死だ。生を 全 うするには、死は欠くことのできな
いものだ。すべての終焉がすべてのはじまりをもたらす。
 その一方、よく理解しなさい、生きる者ではなく、ただ死者
だけが死ぬことができる。あなたのなかで生きているもの、
それは不死なのだ。


質問者 欲望はどこからそのエネルギーを引き出すのでしょ
うか?


マハラジ 記憶から引き出した名前と形からだ。エネルギー
は源から流れだすのだ。


質問者 ある欲望は完全に間違ったものです。間違った欲望
が、どうして崇高な源から流れだすことができるのでしょう
か?


マハラジ 源は正しくも間違いでもない。欲望そのものも、
正しくも間違いでもないのだ。それは幸福を求める努力にほ
かならない。自分自身を一片の身体と同一化して途方にくれ、
あなたは幸福と呼ぶ充足と完全性の感覚を絶望的に探しまわ
るのだ。


質問者 いつそれを失ったのでしょうか? 私はけっして
もってはいなかったのです。


マハラジ 今朝、目覚める前にあなたはもっていたのだ。
意識を超えていきなさい。そうすれば見いだすだろう。


質問者 どうすれば彼方へと超えていけるのでしょうか?


マハラジ あなたはすでに知っているのだ。そうしなさい。


質問者 あなたはそう言われますが、私は何も知らないので
す。


マハラジ それでも、私は繰り返そう。あなたはそれを知っ
ているのだ。そうするがいい。超えていきなさい。あなたの
正常な、自然な、根本的な状態に戻りなさい。


質問者 私はとまどうばかりです。


マハラジ 目のなかのほこりが、あなたを盲目だと思わせる
のだ。ほこりを洗い落して見てみなさい。


質問者 私は見ています! ただ時間が見えるだけなのです。


マハラジ ほこりを取り除きなさい。そうすれば、あなたの
目は光にあふれることだろう。光はそこにあり、待っている
のだ。目はそこにあり、用意ができている。あなたが見てい
る暗闇は、ほこりの影にすぎないのだ。それを取り除きな
さい。そしてあなたの本性に戻るのだ。

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